アグロエルフは死んだんだ いくら呼んでも帰っては来ないんだ

もうあの時間は終わって、

君も翠嵐と向き合う時なんだ

 

〜〜

 

話はSFLに遡り、かの「Q&B」さんが

Ratings第3期前半戦(SFL第1期)の最終日に公開された

とあるリストが話題を呼びました。

 

 

そう、これがBOS第1期まで続く

「WLD型アグロエルフ」の誕生でした。

 

当時の新規要素として

 

「茨の森」

「妖精の使役者」

がWLD産、

 

「妖精の調べ」

がSFL産、

 

豊富な1cのくっ付きと軽量除去による開幕の圧倒的な盤面干渉力に加えて、

妖精の調べによる全体バフ、茨の森による交戦サポートでエルフ特有の数値の貧弱さを補っており、

AoEが重なる中盤以降はリノセウス、妖精の使役者で走りきるフィニッシュプランをセットにしていました。

 

 

 

とは言えこんな歴史は老害の嗜み程度に受け取って頂いて、

本番はやはりこの形の最盛期であるDBN環境でしょう。

 

 

 

DBNアグロエルフの雛形。

ローテーションの影響で失った点数を

「ビートルウォーリアー」

「イピリア」

に任せ、スピードを維持しています。

 

ベビーエルフ・メイが落ちてしまう所に

「インセクトキング」が降ってきたり、

「エルフの鍛冶師・レーネ」のような優秀なボード干渉能力の高いカードも追加されており、

 

「リーフマン」は2/2/2でありながら

リザと風神の間の子として

ローテーションカードとは思えない器用っぷりでした。

 

DBNアディショナルでは更に「歴戦の鷹匠」も獲得し、

その強さを来期に持ち越します。

 

 

 

と、ここまでが今までの新興アグロエルフの歴史。

そしてここからがBOS環境でのエルフの変遷についてのお話。

 

 

1.BOS開幕、失われしビートルウォーリアー

 

BOSのローテーションにより落ちてしまったのは

「ビートルウォーリアー」。

前期DBN環境では更地から対ミッドRの先攻5に進化5/6で走るとほぼ勝利と言った

スタッツと打点の押し付けが重宝された存在でした。

 

何を言ってもEPが投資出来る3点が3枚落ちてしまった事実には変わりないものの、

それでもDBNの最終環境で追加された

「歴戦の鷹匠」分でギリギリ点数を保っていました。

 

 

BOS開幕に行われた祭典、Ratings Final時の構築例。

 

私自身も3×13+バッタの指揮者1で最速グラマスチャレンジで4位通過、

Ratings Finalは

【シャドウバース】レーティング上位16名!Ratings Final 試合結果・出場選手・使用デッキ - シャドウバース攻略まとめWiki - GameBox

リラ2スターリー2型でした。

 

3×13+打点補強

or

3×12+リラ2スターリー2

が上位層の結論で、フルパワー天狐の社Bともやり合える程のスピードがありました。

 

しかし、Ratings Final直後、事件は起こってしまうのです。

 

 

2.BOS第1ナーフ、6cイピリアの誕生

 

そう、

リノセウスが消えてから今までフィニッシュプランを確立してくれていた

「イピリア」に遂に運営の手がかけられてしまいます。

 

変更内容はコスト5→6。

スタッツに変更は無く、一見何の変哲も無いように見えますが、

これが後にあまりにも大きな打撃だと知る事になります。

 

 

この変更によって考えなければならないのは

「クロック入れ替わりとフィニッシュターンの関係性」

について。

 

クロック(Clock)とは、戦場のダメージソースと対戦相手のライフから、あと何ターンでゲームを終わらせることができるかという目安。転じて、1ターンに与え得るダメージの予測量として使われることもある。

例えば、Aのライフが20でBが大気の精霊/Air Elementalを1体コントロールしているならば、BはAに対して4点クロック、または5ターンクロックを持っていることになる。

 

MTG wiki より引用

 

 

元々WLD型アグロエルフはやたらボード戦に強かった為、

茨の森を対空射撃で使い回していると

かなり長いターン戦える事にしばしば驚く事は無かったでしょうか。

 

では何故これがアグロエルフなのか?

と聞かれた際に出てくる問題がこのクロックという概念について。

 

凄く簡単に説明すると、

自分はフェアリーを5体並べており、

相手はジェネシスドラゴンを1体立てている時、

ボードはこちらの方が広げているものの、

こちらは毎ターン5点しか出ない為「4ターン」かかるし、

殴りあえば相手は「3ターン」でこちらを倒してしまう。

このようにターン経過で持続するフィニッシュまでの時間をクロックと言いますが、

 

要はイピリアナーフによってこのクロックが1ターン分ズレる事になった訳です。

 

アグロエルフとして戦う相手だった

天狐B(4c→5c)や人形Nmに対しての影響は凄まじく、

常套手段であったイピリア対空イピリアがズレ込む事によって

「七宝石の姫・レフィーエ」

「心無き決闘」

等の大型守護や、

「狂えるドレイク」

等のイピリアを溶かせるレベルの火力に付き合わされるようになり、

 

じゃあ採用しないとなると

今度は圧倒的な点数不足に陥り、

こちらが再展開している内に相手のクロックが勝ってしまい逆リーサルに対処しなければならない

と言ったアグロデッキとしての欠陥が見え始め、

余程都合良く開幕で並べて必ず妖精の調べが起動出来る人間で無いと完全に打点が足りなくなってしまった

 

BOS第2期にして遂に、SFLから台頭して来たWLD型アグロエルフは息を引き取りました。

(勝手に殺すな)

 

 

 

3.イピリアの死、翠嵐の時代

 

さて困った。

エルフは使いたいがアグロエルフは使えない。

 

ん?

「エルフが使いたい」

とは?

 

そう、かねてからこのエルフクラス、

とあるカードによってその存在意義を常に持っている。

 

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「茨の森」。

現環境最高クラスのテンポカード。

今までアグロエルフが何故かテンポエルフになる時、

基本的にこのカードがゲームに絡んでいたのでは無いだろうか。

 

1/1のフォロワーが2/2/2と食い合い、

果てには先に交戦時効果で倒してしまえば一方、

体力1だと触れる事すら出来なくなると言ったこの能力は、

ローテーション規格のボードデッキには深く突き刺さり、

 

茨の森がロイヤル・ネメシスに有利だから有利、

等と言えてしまう程。

 

しかし、片翼が消えた今、

例え長くゲームをしても削りきる未来は見えず、

アグロデッキ故に必ず先にこちらが疲弊してしまう。

 

そこでだ。

 

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「翠嵐の斧使い」。

アグロエルフにはあまりにも遅く、とても使用に耐えうるカードでは無かったが、

アグロデッキからミッドレンジデッキとして見方を変えるなら選択肢になるという事で

競技寄りの覇者である「たらこ」さんが雛形を作成し、

遂に上位層でも採用され始め、

 

Ratings第6期前半戦の終盤で型割れし姿を現す。

 

 

 

4.ミッドレンジエルフの台頭

 

茨の森さえあれば大体長いゲームが出来る事を許されている為定義付けが難しいものの、

少なくとも今期の翠嵐Eはアグロデッキでは無い

という事だけ間違いない事と、

アグロデッキのままの認識では人形Nmに勝てないまま

であるというのもまた然りだと言えます。

 

BOS第2期、ミッドEの基本リストがコチラ。

 


可能な限り開幕に寄せており、

ほぼ既存のアグロEの構築と変わりません。

変化するのはゲームプランで、

人形Nmのようなボードデッキに対しても

戦線を継続し続ければ勝利可能となっています。

 

従来までのアグロEvs人形Nmは、

エルフが余程開幕でフルムーブが出来ない限り

外界からの侵略者・バジリスによって横並びを全て崩壊させられ、

盤面からの点数が完全にカットされる為に

後の防御型ゴーレム、心無き決闘のような大型守護を置かれて終わりでしたが、

 

こちらはボード維持を意識した進化の使い方を徹底し、

且つそのようなプレイでゲームを伸ばしても

伸ばした先に勝利プラン(翠嵐)が存在する事で人形Nmに対する勝率を大幅に伸ばしています。

 

(今まではボード戦をしかけても疲弊して敗北が関の山だった事からアグロとのプランニング単位での考え方の差がここに現れているとも言える)

 

その上で、今まで採用されなかったものの

ボード戦前提の構築と化した事で採用されるようになったカードが

 

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天禀の射手・メーテラ。

エルフに珍しいフォロワーへの高打点にリソース供給能力がくっ付いたボード干渉タイプのパワーカード。

 

そう、

後半まで戦線を繋ぐ為のハンドリソース供給と、

無茶の利く盤面への超強打点を兼ね備え、

まさしくミッドレンジエルフを体現する女である。

 

これにより有識間の人形NmvsEは

人形Nm有利(vsアグロE)から

エルフ有利(vsミッドE)に変わる事に。

 

今まで決意オーキスでコンシード出来ていたゲームも普通に落とすようになって驚いた事と思うが、

これらの様々な要因によりエルフが姿を変えた事によるものだったという訳である。

 

 

5.個人の感想・あとがき

 

私自身は因みに常にDBNアグロエルフの信者で、

その美しさに陶酔している為に

やたら天禀の射手・メーテラと翠嵐の斧使いが嫌いである。

(結構やかましく騒いだ記憶がある)

 

因むと結局強いカードかと言われるとそんな事は無いが、

(6/6/5突進+守護貫通4打点追加位なら存在するし4/4/3固定の進化権フォロワーである時点で美しきエンハンス群には美しさが劣る)

 

ミッドレンジタイプにしようとする時点で

ある程度の単体性能を持ちつつ

テキストがボード干渉寄りである必要がある為

エルフの貧弱なローテカードプールではこの程度しか択に無かったというのがこの話の結論である。

 

アグロ翠嵐Eという呼び方はかなり好み。

そりゃリストはほぼアグロEで、だが翠嵐は使うぞと言った意思がデッキ名から分かりやすいからである。

ただこれだとやはり勘違いしやすいので結局ミッドEと呼ぶように心掛けている。

 

純心の歌い手

天禀の射手・メーテラ

絢爛の紡ぎ手・コルワ

等は翠嵐の斧使いの為にハンドリソースを繋ぐ働きをする。

これらが採用される軌跡もまた長期戦を見据えたアーキタイプの変遷によるもの。

 

どうでも良いが、

TOGの開幕、あのヘクターネクロが実はアグロネクロと呼ばれていた事実を知っている老が(ryは少ないだろう。

魔将軍・ヘクターによる圧倒的なボード干渉・制圧能力を持ちながら、開幕で勝手に疲弊する可能性があるのは意味が無いとソウルコンバージョンが3枚積まれた所からあの期はスタートする(古参トーク)

 

今のゴブリンのように、当たり前だがスカルビーストは入っている。

1/1/2の有無でアーキタイプを決め付けるのはナンセ(ryliga

 

(そもそも1/1/2がローテーション規格に極僅かな為にミッドレンジタイプにまず優先して採用されないのは考えてみれば当たり前の話である)

 

 

書くの飽きた

 

終わり